第20章 残留思念
公「今は母さんを一時的にどっかに吹っ飛ばしたんだよ」
ジャ「ふ、吹っ飛ばしたって...」
切「すげぇ~...」
公「この病院には軽い結界を仕掛けておいたから安全地帯になったよ。今の母さんの力じゃこの結界が破られる事はないよ」
天井付近をプカプカと浮きながら呑気な陽気な声で言っておる
先程までの緊張感を返してほしいぜよ
忍「んじゃ、朝倉がこの病院に来る事はないんやな?」
公「その辺は保障するよ」
真「それでは、この病院内では朝倉に会うような事は二度とないと言う事だな」
公「うーん...」
柳「おそらく、今の朝倉が何らかの力を手に入れた時、この病院に張ってある結界は破壊されるかもしれない。その時はまでは大丈夫なんだな」
公「そうだね」
柳生「結界を強化する事は可能なのでしょうか?」
公「出来ない事もないけど...」
幸「あ、今の氷月に術を使えなんて無理だよ」
公「うぐっ...ち、違うし...」
丸「どもんなよ...」
結局、強化の説明は受けれんかった
なんでも準備がいるから今日は出直すと逃げていきよった
面会時間が迫った来た頃には幸村達は帰って行った
俺は先生の許可が下り、病室での寝泊りが可能となった
時刻は11時過ぎ
『ん...』
先生からかりたソファーで寝ておると氷月に変化が見られた
起き上がって隣まで来てやると
何度も目をパチパチさせながら天井を見ておった
『あ、れ。仁王君?』
仁「そうじゃき」
疲労の色はまだ残っておるようじゃ
いつものような優しい声音ではなかった
『どう、して?』
仁「お前さんが残ってくれと言ったじゃろ?」
『......』
仁「覚えておらんのか?」
『いえ、覚えていますが、まさか本当にしてくれるとは思っていませんでした。ご迷惑を掛けて申し訳ありません』
柳生のような固い言葉に頭痛を覚え
俺は彼女の頭を撫でる
仁「声は、聞こえるか?」
『...いえ、全く聞こえません。でも、耳に残っています』
毎晩聞こえた言葉が簡単に耳から取れる訳じゃなさそうじゃ
仁「その元凶は消えたナリ。お前さんが聞いておるのは幻聴じゃ」
『わかっています。視線も寒気も無くなりましたから』
綺麗な微笑みを俺に返す
仁「そうか」
俺も出来るだけ微笑んで返してみた