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ゲームはお好き?

第17章 彼女


仁王側

家で作り置きされておった夕食を食べて風呂に入る

髪を乾かさずにベットに倒れこむ

寝れなかった、胸がズキズキと痛み苦しかったから

携帯を手にして皆にメールで知らせようとしたが

俺の整理がついていないのと、皆を不安にさせたくなかった

ベットの上のコンセントから繋がれている充電コードを手に取り

そのまま携帯に繋げて枕元に置いた

氷月の名前を呼んだ時、振り返ってくれた時

初めてあった頃の濁った瞳は何処かに消え去り

未来を見通す程の澄んだ美しい色になっておった

じゃが、それは今までの記憶が無くなったからじゃ

3年前の七不思議で負った裏切りの傷

入院して居った時の朝倉の行為

あの時思い出した自分の事

全てを忘れておるからこそ

あの時体験した「絶望」を忘れたんじゃろう

ベットから起き上がり、髪をタオルで拭きながら隣の部屋に向かう

前までは夜遅くまで部屋に明かりが灯っておった

部屋に入ると氷月の香りが微かに残っておった

氷月独特の俺を安心させる香りが出迎えた

扉を閉めてベットに座る

元から家具があまりない部屋であり、女子にしてみれば殺風景な部屋

大きな本棚には教科書、ノート、参考書が並び

上の方には氷月の好きな小説が並んで居った

机の上も綺麗に整頓されておる

机に設けられている本棚には今年使う教科書やノートが

ファイルには今までのテストが綺麗に閉じられており

赤ペンで綺麗に直されておる

洋服などの普段着はタンスに入って居り

制服などはハンガーに掛かっておる

部屋の隅、扉の近くには小さな卓袱台が残って居る

氷月によくテストの事を聞いたもんじゃ

まだ少し湿っておる髪を結んで、湿気を吸ったタオルを机の上に置く

氷月が寝ておるベットに寝転ぶと

氷月独特の香りが強くなる

普段から使われておるベットだからな

枕にも布団にも

その香りに包まれると何かに体が満たされる気分になる

仁「...まるで変態じゃな」

小さな呟きは消えていく

氷月が入院してからじっくりと部屋を見るようになった

氷月が使って居ったベットに入り込むと

そこに氷月が居るような感じになり、酷く安心してしまい

そのまま寝てしまうのじゃ
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