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ゲームはお好き?

第17章 彼女


意識が覚醒すると左手が暖かった

昨日と比べて軽い瞼を開けると

こりちらをじっくりと見る銀髪さんの仁王君が座っていた

仁「おはようさん」

昨日と違った温かい優しい笑みだ

『おはようございます』

上体を起こして時計を見ると10時を過ぎた所だった

外を見ると雲1つない真っ青な青空が広がっていた

繋がれた左手は暖かく、夏なのに熱くはなかった

それでも少しだけ恥ずかしくなった

『あの仁王君。出来れば離して欲しいですけど』

仁「ん?あー、そうじゃった。すまんな」

気が付いた仁王君は繋いであった左手を離した

包帯が巻かれてある右腕が気になって目を移す

右腕を自力で持ち上げると、少しだけ痛みが走って顔をしかめてしまった

それを見ていた仁王君はベットに身を乗り出して私の右腕を止めた

仁「無理したらいかん。治るもんも治らんようになるぜよ」

自分の腕のように心配するその顔を見て罪悪感が沸いた

これ以上心配させないためにも素直にベットの上に戻す

それを見た仁王君は安心して椅子に座りなおした

それから仁王君はいろんな話をしてくれた

学校での私を、家での私を、一緒に出かけた時の私を

それらの話を聞いていると、冷静沈着極悪非道に聞こえてきた

昼になって看護師さんが昼食を運んできた

仁王君は扉でそれを受け取ると忍足先生のように目の前に置いた

ご飯と味噌汁は変わらないが、夏サラダの盛り合わせがあった

昨日と変わらず味噌汁を口につけて具を漁る

今回はナメコとネギが入っていた

ナメコを1つ掴んで口に放り込む

仁「!」

ヌルヌルとした舌触り、噛むとコリコリ言う不思議な感触

それを口の奥に押し込んで喉を通っていく

『?』

昨日の忍足先生と一緒の反応をしている仁王君がおかしくなって

『ウフフ』

失礼にも笑ってしまった

仁「お前さん、食べれるのか」

『?はい』

言ってる意味がわからないのでそのままナメコとネギをいくつか口に放り込むと

すぐにお腹がいっぱいになってしまった

トレーに乗っている昨日と同じお茶を飲むと仁王君がトレーを返しに行った

すぐに帰ってきたかと思えば忍足先生と一緒に入ってきた

忍足先生から薬を貰い、天然水で体に流し込む

2人は安心したような表情になり

忍足先生は仕事があると帰って行った
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