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第15章 最後の決戦


ソイツを見た瞬間

私の中に眠っていソイツに対する恐怖が沸き起こる

立ちあがってソイツから距離を遠ざけるために一歩ずつ下がる

朝「あら、そんなに怖がらなくてもいいんじゃないかした?」

朝倉は純白の白衣のポケットに片手を突っ込んでこちらに向かってくる

『来るな!』

簡易結界を張っても

朝「こんなもの」

朝倉は平然とこちらへやってくる

そして朝倉と結界が触れた瞬間

『!』

結界が一瞬にして崩れた

そんな事に驚いていると

朝倉の片手は私の首を捕らえていた

『うぐっ...!』

微かに息が出来る分だけ先程よりかはましかもしれない

だが、迫りくる恐怖に鼓動は速さを上げ、息をするのも忘れる

朝「あらあら、可哀想に。こんなに怯えちゃって」

朝倉の顔が目の前にやってきた、息が顔にかかる距離まで一気に詰められたのだ

朝「「死神」から与えて貰った体はどんな感じなのかしらね」

先程の話を聞いていたのか

まるで興味があるかのように尋ねるソイツは

あの時の、カウンセリングの時と一緒の視線だった

顔から朝倉の顔が離れると

私の右腕に電気のような痛みと熱が襲ってくる

『あっ、がっ...!』

首を絞められているせいで叫び声も出せない

顔を下に向ければ

私の右腕に静かに入り込むナイフが見えた

静かにゆっくり入って行く

次第に痛みは増していき、真っ白なパーカーは真紅に染め上げられた

朝「これは痛いのかなー?」

まるで実験室で飼われているモルモットの気分だ

朝倉は普通の人間とは違う私を実験にして何かを試しているようだ

ナイフの刃が見えなくなるぐらいに腕の中に入り込めば

朝倉はそのナイフを一気に抜いた

『っっ!!!!』

そして、絞めていた首を解かれ

私は右腕を押さえながら壁にもたれて朝倉を見上げる

朝「意外と普通の人間なのね、つまらないわ」

新しい玩具を遊びつくして退屈そうな表情をする朝倉は

ナイフを持っていない手で紐付きの5円玉を取り出した

朝「これで落ちてくれるかな?」

朝倉は紐の先端をもって私の目の前にしゃがむと

5円玉の穴を見るように指示する

恐怖が絶対を言う中で私はそれに抗う術を失い

ただただ穴を見つめるだけだった

朝「あなたは思い出すのよ。自分が何者かを」

『自分、が、何者、かを...』
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