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第14章 6つ目


水島「氷月...?」

『私はもうそのような名前の人物ではないよ。水島奈々さん』

水島「えっ...」

奈々は崩れ廊下へと座り込む

顔を上げてしっかりと氷月を見ておる

対して氷月は自分から視線を外して廊下の窓へと移す

『本当によく出来ているね』

窓に映った自分に言う氷月は関心の言葉を言う

『あ』

氷月は思い出したかのように気づけば

足元に転がっている赤いビー玉を手にする

『仁王雅治君』

仁「!」

突然フルネームで呼ばれた俺は氷月から何かが飛んできた

手の中に納め、開いて見れば先程の赤いビー玉が2つ

『その鍵は大切になさってください』

仕草はそのままなのに口調が変わると別人のようじゃ

仁「待つんじゃ、氷月」

『言ったではないですか。私は白川氷月ではないと』

反対に振り返った氷月を止める

赤いビー玉をポケットに入れて氷月に近づく

それに驚いた氷月はこちらに体を向き直して後ずさりをするが

俺はそれを捕まえる

片手を氷月の後頭部を押さえて俺の胸に押し付け

逃げれないようにもう片方の手で氷月の細い腰を引く

仁「逃がさんぜよ。お前さん、何処に行く気じゃった」

『あなたの知っている白川氷月は既に死んでいますよ、仁王雅治君』

仁「いいや、俺の知っとる白川氷月は此処に居る」

そう此処に居るんじゃ

仁「俺の知っとる白川氷月は病院の時からじゃからな、今のお前さんとあの時のお前さんは一緒なんじゃよ」

か細い腕で俺を突き放そうとするが

俺はそれを実行させないために強く抱きしめる

離さない、絶対に離してたまるもんか

氷月の目は一瞬だけ見開いた

俺はそれを逃さない

仁「お前さんは言った「生きたい」と、それは嘘じゃなく本心じゃった。此処でお前さんを死なせる訳にはいかんからな」

『それは私の願い?白川氷月の願い?』

仁「お前さんは氷月じゃ、そして氷月はお前さんじゃ」

『そんな事はありません』

仁「いいや、そうじゃ」
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