第14章 6つ目
『裏切り者、ね』
裏切り者、アイツから見たらそうかもしれないが
私から見れば
『君達、裏切り者じゃないの?』
と言ってしまった
達「よく言うぜ。化学室から脱走したのによ」
『あの状態で1人で脱走出来ると思っているんだ』
汐「実際にいなかったじゃない。しっかりと縛ったのにね」
『ああ、縛られていたさ』
誠「それじゃ、どうやってだよ?」
『裏切られた哀れな人間は、七不思議の行動に反対する反七不思議によって命を掬われたんだよ。今、自分で言って吐き気がしたけどね』
実「それって、トコトコ、テケテケ、口裂け女、メリーさん、トイレの花子さんの事?」
『そうだね』
実「アイツらは七様を裏切ったのよ?」
誠「裏切り者同士って事だろうな」
言ってくれる
達「それで、なんで右目が見えているんだよ?」
『それは私も知らないね。むしろこっちが聞きたいよ』
実「ウフフ」
『......』
実「あなたは自分の身に何が起こったのか、まだわかってないみたいだね」
何が起こったか?
汐「お前は此処で死んでるんだよ。私達と一緒でね」
『それはアイツからも聞いたよ。だけど私は生きている』
実「それじゃ、あなたにこの傷跡は残っているのかしら?」
実里は制服を着崩し、鎖骨を露わにした
『!』
鎖骨の部分にあったのは火傷の後だ
そうだ、小さい頃に火遊びをして火傷を
彼女にある火傷の部分を自身に手を当てる
風呂上がりで時々鏡を見るが、そんな後は何処にも残っていない
実「私達と遊んで、火傷を負ったのを忘れていないよね?」
『忘れてなんかないさ』
誠「あるのか?火傷の後。この後は俺達も知っているぜ」
達「たしか、落ち葉を集めて焼き芋をしようとしたが、風が突然強くなり風下に居たお前に炎が灯った落ち葉が付いたんだよな」
汐「秋で寒くなって厚着をしていたがために対処が遅れて火傷の後が生々しく残ってしまったんだよね?」
実「それで?あなたにその後は残っているの?」
『......』
決定的な証拠を突き付けられた私は何も考えられなくなっていた
火傷の後?そんな物何処にもない
実「ないよね?」
実里の表情が歪み、私の中の何かにヒビが入った
胸の苦しさが増し、息をしているのかもわからなくなった
『......』
何も言えない、それは事実だから