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第14章 6つ目


不「!あれは...」

どうやら周介も気が付いたようだ

相手は鼻の上を前髪で隠している

長くもない前髪で顔をちょうど隠せるような角度をつけて

見えないようにしている

ソイツは口をニヤリと歪ませると段々近づいて来る

赤い月明かりに照らされる縛られていない長い髪

スカートから見える程よい太さの足

制服は青春学園中等部の物

そして、

「「!!」」

首には痛々しい線が1つ入っていた

『......』

正直、驚いているなんて言葉では物足りない

しかも、私の目の前にいるのは

水島「氷月?」

自身の心臓が鼓動を上げる

胸が苦しい

どうして彼女が此処に存在するのだ

顔を上げて私を見る目は澄んだ青の色

水色の髪は風もないのになびいている

「これはこれは、此処まで脱落者を出さなかったのね?」

『生憎、体験した事は忘れられないのでね』

口元を歪ませながらも私を射抜くような視線は不の感情に取り込まれている

「偽物がよく頑張った事で」

『偽物、ね』

声や体は3年前の物

「あなたは此処で終わって貰うわ」

『そうは行かないよ、君達の茶番にはもう飽きたんだ』

「そんな事言って、知りたいのではないの?」

『...何を?』

「私があなたから奪ったもの」

語尾にハートでも付くのではないかと思うくらいに訪ねてくる自身にイラッと感じる

?「お浚いでもしといた方がいいんじゃないのかな?」

?「そうね、私達があの時感じた苦しみはこんなものじゃないからね」

?「けど、お前なんで見えてんだよ」

彼女の後ろから3人の霊が姿を現す

桃「達也...」

達「やあ、桃。それに菊丸先輩」

達也は片手を挙げ軽い挨拶をする

誠「いやー、成長したね氷月ちゃん」

『どうも』

汐「と言うか、あれだけ奪っても生きていたんだ」

『死ぬのを止められているだけさ』

軽い挨拶を交わしながらも

彼女の後ろにはしっかりと3人が立っていた

そして

実「ほんとにしぶといよ。白川氷月の偽物さん」

『......』

私の姿と声で

『とんだ悪趣味になったようだね、実里さん』

実「出来ればあなたにそう呼んで欲しくないのだけど」

『そんな事は知らないよ』

誠「よくもまあ、のうのうと此処までこれたもんだな、裏切者」
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