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ゲームはお好き?

第14章 6つ目


仁「この先か?」

『うん、あの時と一緒ならね』

そう、あの時を一緒ならこの廊下を進む

不思議と懐かしさを感じてしまう

やはり私は壊れているのだろう

普通の人ならこの先に行きたくないはずなのに

今は私自身の事が知りたいがために自主的に進もうとしている

なんな愚か者なんだろうな

静かに一歩を踏み出せば皆は何も声を掛けずに付いて来る

『奈々、無理だったら...』

水島「此処まで来たんだよ?置いて行かないで」

『...わかった。無理はしないで』

水島「うん」

唯一、女性らしい奈々を気遣う

他の男性陣は自分の立場をわかっているだろう

何も言わないでおこう

廊下を先に進むに連れ、少しずつ鉄の臭いが濃くなっていく

そして、足元はピチャと音を上げる

水島「うっ...」

『奈々』

振り返って奈々を見る

顔は真っ青で胸を少しだけ押さえている

やはり

水島「氷月、進んで?」

『いいのかい?』

私は慣れてしまった、この濃い鉄の臭いに

水島「お願い」

『わかった』

奈々の願いを聞き入れるのは簡単な事だ

だが、それと同時に罪悪感も生まれてくる

私は前に向き直り歩幅を縮めて進む

ズボンに水滴が付かないように、奈々が進みやすいように

前に前に行っても残酷な死体は見つからない

壁にペンキでもぶちまけたような後が3ヶ所続く

『見ないほうがいいんじゃな?』

きっと後ろでは興味本位で見ている者も少ないくないだろう

彼らの気分を害さないためにも此処で一言言ってみる

絶対に遅いかもしれないけどね

『!』

仁「氷月?」

目の前に女子生徒が1人立っていた

私はその姿を見た事がある故に

驚きを隠せないまま表情に出し、その場で立ち止まってしまった

幸「あれは...誰だい?」

後ろにいる精市の声を聞きながら

切「生きている人が他にもいるんスね」

柳「いや、それはないだろう。本の数字は変わっていない」

真「では、あれは一体?」

ジャ「死んだ人の霊って事が」

柳生「それにしてみればハッキリとしていますね」

立海メンバーの声を聴きながらも

目の前の人物はその場を動かない
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