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第14章 6つ目


真「お前の痛い気持ちはしっかりと伝わってきた。それだけでは証拠にならないのか?」

『......』

水島「私は氷月の話を信じるし、この本の事も信じる。それがさっき言っていた誤差じゃないかな?」

柳「少なくとも時差のせいで誤解が生まれているからな」

『時差、ね』

確かに、アイツらが殺された時に化学室を飛び出した

アイツらは私が逃げた瞬間を見ているわけではないから

アイツらはに説得は無理だと思う

けど、私にはもう力を札に注ぐだけの力が残っていない

切「その時差だけでも説得出来ればいいんじゃないッスか?」

丸「けど、証拠がなくね?」

『多分、説得なんていらないと思うよ。彼らは』

水島「え、なんで?」

『彼らの望みはなんだった?』

ジャ「望み?」

不「もしかして、白川さんの苦しむ姿、かな?」

「「!!」」

『条件としてもそうじゃないかな?蓮二』

蓮二は本に目をやり静かに頭を上げた

【俺達が見たいのは白川氷月の絶望の姿】

『クス、アイツらも性格が悪くなったね』

桃「ひでぇ...」

海「仲間をなんだと思っているんだ」

『アイツらは私を仲間なんて思ってないよ。だから私を生贄に捧げた』

河「それでも、此処まで頑張ってきたじゃないか」

『それはただの綺麗事だよ』

菊「それでも」

『これ以上はやめよう。何も結果が残らないからね』

キッパリを切り捨てる私に対し

皆の表情は曇っていく

『化学室は東階段から行く。あの時もそうだったから』

小さく呟いて扉の方へ向く

『あの時は何を間違えたんだろうね?』

扉に手を掛けて横にスライドする

そのまま保健室を後にして東側の階段に迷いなく進んでいく

少し遅れてゾロゾロと足音が聞こえれば

最後に扉を閉める音が聞こえる

皆、保健室から出たようだ

先程と同じように少し丈夫な結界を張りながら移動する

体力は消耗して行く一方だが、彼らの安否が最重要

私1人の命で救えるのなら安すぎるかもしれない

窓から「手招き」すら出てこないとなると

相当強力なのを無意識に張っているのだろう

見えていた右目は霞、少しずつ痛み出す

あっさりと階段に付けばそのまま一気に3階へ向かう

3階に足をつけて廊下を見る

そこはまだ、普通の廊下だ
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