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第13章 5つ目


その言葉を待っていたかのように

3人は男の周りを三角形にならぶ

「「簡易結界!!」」

3人は同時に叫べば

自分の周囲から中心に向かって結界が張られていく

ナイフを持った男は身動きが取れずにただ暴れている

私は札を男に向かって投げる

1枚は男に貼りつき、1枚は男の目の前で男を囲む頑丈な結界が生み出された

3人はすぐさまその場から後退して私の前までやってくる

仁「ちと遅いんじゃなか?」

幸「俺達を過労死させる気かい?」

不「もうちょっと早く、ね?」

言っている事もわからなくもないが

コイツら絶対に分かっていて言った冗談だな

もう少し働かせとけばよかった

『はぁ、すいませんでした』

両手を合わせて呪文を唱える

カップルの持っている札が白く輝きだし

男に貼りついた札は緑に輝く

『道を示せ』

小さく最後に呟けば

白い光に包まれるカップルと、毒々しい色に包まれる男

最後にカップルの方を向けば

苦しそうにもがくナイフの男に対し

幸せそうに抱き合い、私に向かって言葉を紡いでいる

『(あ、り、が、と、う)』

それを言うと同時に天井まで行き、青い炎となって消えていく

ナイフの男の魂から赤いビー玉が落ちていく

そして、それらは消えていった

『ふぅ...』

一息つくと体がグラリと傾いた

それに抵抗出来る術を持っておらず、そのまま倒れる

仁「帰るぜよ」

訳でもなかった

毎度お馴染みの「支えて貰う」が発動された

精市がビー玉を回収してポケットに入れる

不二君の顔が目の前までやってきたこちらを伺っている

不「酷い顔色だね」

苦しそうに言っている不二君に申し訳ないの一言では足りないくらいだ

仁「歩けるか?」

『出来るだけ頑張るさ』

雅治に支えて貰いながら美術室を後にする

越「先輩」

『なんだい、越前君』

越「リョーマ」

『?』

越「リョーマって呼んで欲しいッス」

『わかったよ、リョーマ』

越「ッス!」

リョーマの表情は輝きだしとても嬉しそうになった

不「僕も下の名前で呼んで欲しいかな?」

『えーっと、周介?』

不「うん、ありがとう」

名前を呼んだだけで何故礼を言われるのかわからないな

窓から飛び出る「手招き」を威圧しながら保健室に戻ると

奈々が泣きそうな顔で飛びついてきた
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