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第13章 5つ目


2人が説得、3人が対話(物理攻撃)をしている間に

自分がやるべき事を果たさなくてはね

ポケットから4枚の何も書かれていない真っ白な札を取り出す

時間が惜しいので4枚まとめて力を送り込む

『...ッ!』

海「...先輩?」

一気に力を持っていかれる感覚で意識が朦朧としてきて

体の自由が一瞬だけ奪われた

何とか態勢を持ち直してゆっくりと送っていく

ヤバい、結構時間が掛かるかもしれない

焦った私は力の供給速度を増やしていく

体の調子は悪化していく一方であり

自然と力を注ぐのにブレが出てしまう

一定量をキープしなら送らないといけないのに

などと考えていると札に力が込め終わったようだ

『...あっ...』

一歩前に踏み出そうとした足がもつれ

後ろに倒れていく

海「先輩...!」

海堂君がとっさに支えてくれた

『...ありがと』

海「!...フシュ~...」

海堂君に素直に礼を言うと、彼は頬を少しだけ赤らめた

しっかりと床に足をついて立ち上がる

越「先輩、説得終わったッス!」

『うん、ご苦労様』

越前君が2人の説得をしてくれた

後は3人が行っている対話(物理攻撃)が終われば準備完了

この先は私だけの出番となる

しっかりしないと行けない

海堂君から離れて2人のカップルに近づいて行く

『本当に良いんだよね?』

「はい、あの男から逃げれるのであれば俺は」

「私も、あの人から逃れれば」

2人の決意は本物のようだ

『必ずしも2人一緒になれないけど、それでも?』

「「はい」」

『...クス、わかったよ』

一人の男から逃げられれば互いの幸せを願う、か

良い人過ぎるよ、君達は

2人のカップルから視線を外して3人の方を向く

「どけぇ!邪魔だぁーー!!!」

男は3人に向かってナイフを振り続ける

3人の動きが少しだけ鈍っているようだ

必要以上に距離をとって対処し始めている

本当はもう少しだけ稼いで欲しかったが、何よりも彼らが優先だ

私は持っている先程の札を2人のカップルに渡す

『絶対に離さない事、いいね?』

「わかったわ」

「わかりました」

2人からしっかしと返事を貰い、残りの2枚の札に新たに力を注ぎ込む

これで、彼らの出口は分かれるはずだ

すぐに終わった2枚を構える

『準備出来たよ』
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