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第11章 3つ目


再びベットに腰を下ろして意識を飛ばせば

先生に見つかって戻ってくる

そして

テ「ダメだって言ったじゃん!」

とデコピンを貰う

さすがテケテケ、デコピンが想像以上に痛い

メ「氷月ちゃんは自分の立場を考える事が大切ですよー」

『...わかった』

ため息交じりに言えば反七不思議は怪訝な表情となった

わかっている、けど

自分の魂が一度体から離れると全体の機能は一時的に低下する

その証拠に自身の胸が煩くなっていく

これは自分が戻ってきて体の機能を取り戻そうと

血液を全体に素早く送り出している事を意味している

『ふぅ...』

大きく息を吸って、ゆっくりと吐き出す

天井に顔を向け、自然と片手は胸の上にいく

皆よりも分厚い服装の上からもしっかりとそれが伝わってくる

それは私が今を生きている証拠の1つだ

仁「何をしとるんじゃ?」

『休憩』

幸「さっきまで上の空だったのに?」

なんで2人が私の両隣に座っているんだ

大「あの、手塚達に何が?」

顔を水平に向け胸の上にあった片手をベットの上に戻す

大石君は肩を少しだけ震わせると私の言葉を待っているようだ

『妖に襲われていただけだよ。裂け先生が助けたから問題ないよ。それに奈々にはあれを持たせているからね』

言いたい事を全て言い終えれば大石君は胸を撫で下ろした

それは手塚君達に対しての安心感か

私が視線を外したかによる緊張感のほぐれなのか

今はどうでもいい事だ

文字通り大石君から視線を外して窓を見る

私が今知りたい事は1つだけ

4つ目に奪われたものだ

右目、食欲、家族・親戚

その他で変わった事はない

彼からか注がれる視線や、人付き合いも変わらない

アイツら4人の内の誰かが知っている

アイツらの希望で奪われた物なのだから

蓮二に言われ、皆に教えて貰った「焦り」が

心臓の鼓動を上げていく

何を奪われた、何処で奪われた、何時に奪われた

それらが頭の中でグルグルと徘徊する

自然と両手には力が入り布団を強く握り占めている

「「氷月」」

『?』

両隣に声を掛けられて思考の渦から抜け出した

両手にはそれぞれの片手が乗っている

その手から伝わってくる体温がとても暖かい

焦ってはいけない

それはアイツらの思うツボになる
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