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第11章 3つ目


水島「えらいでしょう!えっへん!」

保健室に戻ってきた奈々達は音楽室の事を話す

少し前にピアノとバイオリンの素晴らしい演奏が聞こえてきた

それをやっていたのは奈々だと胸を張って話している

ベットに座って話を聞く事しか出来ないのが

なんだか悔しいな

一通り話し終えた奈々は私の隣に自然と腰を下ろす

精市は自分の立ち位置に戻っているため奈々はそこに座っている

そしてポケットから白い球が差し出された

水島「これ、返す」

『......』

無言で受け取って先ほどと同じように両手で包み込む

瞼を下ろして、力を込める

水島「キレイ...」

隣の人物からの声も聞こえない

終わって中身を見てみれば、先程よりも良い物になっていた

そのまま奈々に差し出せば手に取ってそれを見る

『それはお守りだよ。貰っておいて。そうだな、誕プレとして』

水島「此処で誕プレって、うん、でも、わかったよ」

そう言って満面の笑みでポケットに大切にしまいこむ

精市、弦一郎、蓮二、手塚君、大石君、乾君は少し離れた場所で本に目を落として話し合いをしている

一方、反七不思議の存在になれたのか

ブン太、ジャッカル、赤也、菊丸君、桃城君、越前君はソイツらも混ぜて遊んでいる

他は私の周りで何かを話しているが

自分の事を考えていると全くその会話は耳に入ってこない

まるで別の空間に飛ばされたような感覚だ

水の中に体が静かに沈んでいく、そんな様な感覚に

仁「氷月」

『?』

雅治に名前を呼ばれて意識が浮上する

水の中に沈みきっていた体が完全に外に出た

『何?』

仁「何を考えておるんじゃ?」

雅治の問いかけは何時も不思議に思う

話したくないのに、その甘い声と言葉に惑わされたしまう

それでも不安にさせたくないからこそ

私はそれを濁してしまう

『何も』と

そう言うと雅治の表情は曇っていく

それを見ていると胸が苦しくなるので視線を外す

不「それにしても白川さんとこんな形で再開出来るなんてね」

『私も思っていませんでしたよ』

河「あれ?不二の仲の良かった子って?」

不「うん、白川さんだよ」

不二君の言葉は精市の言葉に似ていると思う
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