• テキストサイズ

【HQ】及川徹は恋をする

第3章 笑って蓋をする






俺と彼女で取り決めをした。
お昼休みは一緒に過ごすこと。部活のない日は一緒に帰ること。朝練がない日は一緒に登校すること。


こんな取り決めをわざわざしたのは初めてだ。中学生かよ。それでも彼女は至って真面目に復唱していたが、ふと思いついたように顔を上げた。





「付き合うって、結構めんどうですね」

「やめて!めんどうとか言わないで!普通はさ、一緒にいたいって思うのは当たり前なんだから!」

「え、」

「え?」

「及川さんは、私と一緒にいたいんですか?」

「い、!?」







俺の真の目的は、おまえを惚れさせて飛雄に嫌がらせするためだから。いたいわけじゃない。おまえなんかと、一緒にいたいわけじゃない。


それだけなのに、あまりにストレートな物言いに俺はたじろいでしまった。





「そりゃあ…好きだから、ね。」

「そうですか」






変なの。
こんなのまるで、俺がおまえに振り回されているみたいじゃんか。










笑って蓋をする

(20150629)
/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp