第2章 7年前。
「いったぁ…」
歩くたびに痛むのは膝の傷。
小学生低学年とはいえものを隠されたり無視されるなんていじめは普通にあった。
今思えば低学年でよかったという部分もある。小五とか小六とか生々しい学年だったら耐えられなかった。
といっても当時の私にはいじめっ子たちに反抗する力と勇気はなかった。
純粋に怖かったから。
そんなときに、下を向いて歩いていたら人とぶつかってしまい少しよろめいて近くの電柱にぶつかってしまう。
こういうところ、本当にどんくさいと思う。
「あっ…ごめんなさい。」
いじめっ子たちにいうように条件反射で謝る。いや、ぶつかったから条件反射じゃなくても謝らなくちゃだけどね?
「あ、わりぃ…」
見上げると私よりずっと背高い、金髪の人がたっていた。
――この人…前、喧嘩してた…
「ってお前、怪我してんじゃねぇか!大丈夫か?今ぶつかったときに…」
「ちちちち違いますよ!?だって電柱にぶつかっただけでこんな怪我しませんよ…」
「そ、そうだよな…にしても大丈夫かよ?足引きずって」
「大丈夫、です。」
「いや、やっぱ俺の家すぐそこだし消毒液とガーゼくらいとってくる」
「えええ大丈夫ですって!!」
「いいからそこで待ってろ」
そういい残していってしまった。
その時だった。なんと運の悪いことか…私をいじめていた中心核の女子たちが近づいてきたのだ。
「あれ、愛実ちゃんどうしたの?教科書探してたけど見つかったの?ないと宿題できないよね~まさか宿題やらないの?」
「えーサボるってこと?ありえない」
「ねー」
「っ…」
口々に言われる言葉に耐えられなくなる。
ここで待ってろとは言われたが逃げてしまおうか。
そんなことを考えていたら
「何だそいつら。お前の友達…って感じじゃないよなぁ?」