第1章 ただいま、池袋
痛そう…ていうか、今の、今の…
「静雄さぁぁぁんっ!!!!」
「ちょ、めぐ!?」
身を潜めていたが予想外の人物の出現で思わず飛び出してしまった。
ここまでやったら後戻りは出来ない。
椿の制止を振り切って駆け出した。
ただ、今の静雄さんには臨也さんしか写ってないらしく。
えーと、あの…りゅ、竜ヶ峰くん?と紀田くん?は呆然としてるし杏里ちゃんは怯えてるし…だれも気づいてくれなかった。
どうしようかおろおろしているうちに臨也さんが逃げてしまった…
あぁ、委員長たちまで!!
静雄さん、なんかデカイひとに止められてるし。
止められてる…?
「嘘だぁ!!」
「……?」
大声を張り上げてから自分が目立っていることに気づいた。
「あ、えーと、お久しぶりです静雄さん。私のこと覚えてます?」
覚えてるわけねーかと思いつつも聞いてみる。
臨也さんと違ってちょっとだけ静雄さんとは面識あるんだよねー
「…お前愛実か?」
うおおおおおおお!!!!おおおうおおお!!
「…っっっ!!」
心のなかで大声で叫びつつ、興奮のあまり口からは声にならない叫びが漏れる。
「静雄さんっ本当に覚えててくれてたんですか!?7年も前なのに!?人の名前も顔も全然覚えてなさそうな感じなのに!?」
「やっぱりそうなのか…ってか最後のは馬鹿にしてるよなぁ?」
「い゛だいいだいですからへぇはなひてくだはい」
近寄ってきたかと思えば思いきり頬を引っ張ってきた。
「まぁ、小学生が話しかけてきたのなんてお前くらいだったからな…」
「静雄さん、私こんな可愛いレディーに育ったんですよ?欲情しちゃいましたか分かります」
「黙れ。…にしてもほんと懐かしいな。7年か…そんなたつのか」
「臨也さんとの関係が変わってなくて嬉しいです」
「ノミ蟲の話はすんな」
変わってない…ほんとに変わってない。
7年前だってこうだった。