第1章 ただいま、池袋
臨也さんは、二人に声をかけると(会話は聞こえなかった)名前がなんかすごい子の背中を押しはじめた。
「えっちょ、ずるい」
「めぐなにいってんの…あの人、いつもバーテンと喧嘩してる人じゃん、危なくない!?ていうかめぐも知ってるよね!?バーテン…金髪と、今の人が殺し合いみたいなことしてんの」
「知ってる…知ってなきゃ、ずるいと思わない。椿行こう!!」
とはいったものの。
(考えれば7年も前のことであっちは私を知らないわけで…)
声をかけられるはずもなかった。
結果。
「覗き見とか…趣味悪」
「仕方ないじゃん」
臨也さんと、二人が入ってった路地裏をこっそりのぞいてみた。
「園原さん…!?」
「委員長の?」
そこには…なんというか、シュールというかカオスというかなんともいえない状況だった。
その、臨也さんが女の子の携帯を踏みつけて、当然女の子は逃げてしまったわけで。
「頭大丈夫かな…」
「分からない…」
7年前…平和島静雄さんと折原臨也さんの喧嘩に、強さに憧れた私だったけれど。
今のはちょっと引いた。
そのあと3人が路地裏からでてきたので慌てて影に身を隠す。
あ、あの人竜ヶ峰帝人っていうんだ。
どうりで衝撃的だったのは覚えているわけだ。
なーんて一人モノローグを頭のなかで繰り広げていたら。
臨也さんにゴミ箱が直撃した。