第4章 臨也先輩に近づきたいっ
戸惑っている竜ヶ峰くんの返事を待っていたところに。
――キエエエエー!!
「!?」
「う、わぁ…」
その、ほんとは鳥の鳴き声なんだけど激しすぎでただの奇声みたいな…着信音が明らかに私の鞄の中から漏れてきた。
臨也先輩からメアドと電話番号貰って嬉しくて思わず臨也先輩のだけ分かりやすい着信音にしてしまったんだが…今切実に後悔している。
取り合えず止めるために驚いている竜ヶ峰くんを放置(ごめん)して自分の机へとダッシュ、冷めた目を向ける友人の顔を見ないように廊下にでて、やっと電話にでる。
「あぁ、やっとでた。もしもし?」
「臨也先輩のせいで恥かきました。」
「何があったか知らないけど多分俺のせいじゃないよねー?それで、どう?」
「どうもこうも『へ?』って言われたので切り返そうとしたところで今電話が。」
「はは、どうせアドリブなんてできないだろう?丁度よかったじゃないか。」
「臨也先輩と私昨日知り合ったばっかりですよねー」
「そうだよ?じゃあね」
―ブツッ…ツーツーツー…
一方的にかけられて一方的に切れた…
ため息をつきながら着信音の音量をさげる。
こんな恥をかくくらいなら臨也先輩のメールひとつくらい無視してもいいよね…
と思っていたところにすぐメールがくる。
先程よりも音量は下げていたもののまたもや鳥の鳴き声が…
もう変えよう。
『今日学校まで迎えにいくからさ。校門で待っててよ』
とだけ書かれたシンプルなメールだった。
文面だけみたら彼氏だ。
こんど椿に自慢しよう…
そこで予礼がなったので慌てて教室へ戻る。
結局収穫は「へ?」だけだったがいいのだろうか…