第4章 臨也先輩に近づきたいっ
――決められた日に俺に言われた質問を彼にぶつけてその答えを教えてくれればいいよ
――え、メアド貰えちゃったりします?
――いいよ?
――っっっっっ!!やりました静雄さんっ!!
――なんでシズちゃんなのさ…。あ、あと合鍵
――!?!?!?これは…臨也先輩を襲ってもいいと言う
――変なことには使わないでねー
――あ、はい…
ってことがあったのが昨日。
今は学校で…
「昨日、ひどい。あと危ない。知らない人についていくなんて…」
「ごめんってー」
となりでずっと不機嫌な椿をなだめていた。
今は昼休みでみんな好き勝手にご飯を食べている。
なんで違うクラスのこいつが来てるのかは知らないがなんだっけ…紀田くん?とかいう人も違うクラスだけどここA組にいるから大丈夫みたいだ。
確かに言われてみれば臨也先輩とは昨日知り合ったばかりで私の一方的な憧れと静雄さんのとも…知り合いでもあるから大丈夫だろーって軽い気持ちでいたが…
初めて話した男性から訳の分からない手伝いをやらされてメアドどころか合鍵貰って指定された日に家に来いって、危ない要素満載だ。
かといって後戻りはできない。
臨也先輩と少しでもお近づきになれるのなら…
「竜ヶ峰くん」
「え?あ、えーと」
「あ、私鈴風愛実。よろしくね。少し聞きたいことが有るんだけど…いいかなぁ?」
「うん、いいよ!ごめん正臣ちょっと待ってて…」
「帝人ぉ!!いつの間に女の子と近づいてたのか!?ナンパにいい顔しないくせに」
「正臣、うるさい。それでなにかな?」
うう、純粋な曇りのない笑顔…
なんだか騙してるみたいで心が痛む。
あぁ、昨日知り合ったばかりの男のパシリとしてっていうとヤバイ感じだけれどと臨也先輩に言われたのだから。
そう心に言い聞かせながらまわりに聞こえないようにそっと耳打ちをする。
「あのね…ダラーズ…って知ってる?」
「へ…?」
いまのはどういう意味での「へ…?」だろうか。
1,自分がダラーズだから驚いている
2,本当になにも知らないから困惑している
「あぁ、ごめんね突然…この前実は竜ヶ峰くんに似た人がダラーズからのメールが来たときに同時に携帯チェックしはじめたからもしかしたら…って思って」
よし、完璧な演技!!…な、はず