第3章 臨也さん
「っていっても会えるわけないかぁ…」
静雄さんと別れてからはや一時間。
気づけば当初の目的など忘れてあそびほうけてしまった。
「めぐ!!」
「あっ…椿…」
そうだ、忘れてたよ。
私この人放置して静雄さんと話してたんだ。
「ごめん、忘れてたよ」
「はぁ?ふざけんなよ…ていえか、あんたどういう関係なの!?あの金髪バーテンと!!」
「え?セフレ?」
「死ね」
冗談だというのにそんな冷たい目で睨まないで…怖い。
と、そのとき
「シズちゃんがついに高校生に手だしたんだ~へぇ~」
「!?!?!?!?!?」
後ろから聞こえてきた声に全身が強ばる。
ロボットのようにかちこちになって体を反転させると…
「いい、い、臨也、さん」
「俺の名前知ってんの?なら話早いね」
「ちょ、めぐどういうこと?あんた…」
「違う、静雄さんと違ってこの人はほんとに…」
「初めまして、だよね?鈴風愛実さん」
「い、いえすあいどゅー…」
これは夢かなにかなのでせうか。
なにゆえ臨也さんは私の名前を知っているのでせうか。
「少し…お話がしたいんだけれどといいかな?」
なんか、すごく有無を言わせぬオーラが漂ってるのは気のせいかな?
「椿」
「何?」
「じゃあね、また明日!」
「え?え?ちょ、ちょいまちー!!!!」
「さぁ臨也さんいきましょう!!」
「あの子はいいの?」
「どうせ追っ払うんでしょう!?」
なぜか誘われたがわである私が彼の手を引いて駆け出した。