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兎は今日も虎を見張ります。

第1章 バニーの一年


突然ですが、あなたの初恋はいつですか?

中学生、高校生…あるいは小学生の頃なんて人もいると思います。…え、僕ですか?僕は秘密です。
そして、今回も初恋がなんとも甘酸っぱかった虎徹さんのお話です。
何だか始めから自慢話のようになっていましたので、何とか逃げようとしたんですが…失敗しました。

この後散々飲みに付き合わされたのは後の祭り、渋々彼をごちゃごちゃな家に送ったのは言うまでもありません。


~~~


「おぇのよめさんはかわええの、らんの!」
「はあ…」
「バニー!?バニーちゃーん!!聞いてましゅかー!」
「はぁ…」
いつもより数段大きい虎徹さんの声を頑張って横へ受け流そうとするも、少し酔いの回った僕の頭にキーンと響いたまま流れようとしない。
事の始まりは折紙先輩の朝の一言。
『今朝…ものすごく可愛い子に話しかけてもらえたんですよね…』
そこから初恋の話に変わり、そして知らないうちに虎徹さんの妻、今は亡き友恵さんの自慢話に落ち着いた。そして、僕は飲みに飲みまくってノンストップの虎徹さんの相手をしている。
ちなみに飲んだくれの虎徹さんはそろそろ潰れそうだ。
「でだな~ともえがなぁ~…ヒック…、おえのことなあ~…すきだーって言ってくえてな…ぁ……zzz」
やがてついに潰れてしまった。
さて、これからどう介抱しようか。
それよりも気になるのが、友恵さんのプロポーズの後。意外としっかり話を聞いていた僕は何だか取り残された感じがしてとてもウズウズしている。
その後の続きは一体…!?
放置された気分のまま、僕は虎徹さんを送り届けた。

「で、あの後どうなったんです?」
「へ?何が?っあ~頭痛ぇ!」
「どうなったんですか!虎徹さん!!」
「耳元で叫ぶなー!」
結局教えてくれませんでした。
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