• テキストサイズ

兎は今日も虎を見張ります。

第1章 バニーの一年


女々しいようですが、僕は雨が嫌いです。湿気が多くて髪型が崩れてとてもムカムカします。

女性の皆さんなんかは特にそうだと思います。
今回はヒーロー界のアイドルことブルーローズさん、そして湿気が世界で一番大嫌いらしいカリーナ・ライル氏とのお話です。


~~~


「ほんっっとにタイガーって信じらんない!乙女のファッションを邪魔する存在でしかないわ!マジでこの世から消え去ってくんないかしら!?」
「そんなこと言って、虎徹さんが居なくなったらしくしく泣いてたじゃないですか」
「な、泣いてないもん!!」
頬を膨らませてプリプリと今日も怒るブルーローズさん。最近は特にイライラも最頂点を超えているらしく、むしろ笑っていることの方が減ったようにさえ感じる。
なぜ怒っているのだ、とストレートに訊きたいところだがそれは女性に対して失礼な気がするのでやめておこう。
そこで、一番女性のことを分かっていそうなファイアーエンブレムさんに訊いてみた。
彼…、彼女なら何か分かるかもしれない。
「なんでブルーローズが怒ってるのかって?知りたいのォ~?」
「当たり前です。こう毎日毎日バディの悪口を言われてはさすがの僕も腹は立ちます」
「ま、本当に怨みがあって言ってるわけじゃないんだけどね…。たぶん、アレでしょうね…」
「アレ?」
困ったように眉を潜め、頬に片手を当てて僕の耳に唇を寄せ耳打ちする。
「たぶん、もうそろそろ梅雨でしょ?湿気がすごいじゃない。だから…」
「髪型が整わなくてイラついている、と」
「ま、そんなとこよね」
なるほど、女性ならありがちなことだ。僕も実際あまり使いたくないワックスを使わざるを得ない状況にあることは事実。
ブルーローズさんの気持ちはよく分かる。そして好きな人についツンとした態度を取ってしまうのも分かる。
「…分かります、分かりますよその気持ち」
「…は?」
ブルーローズさんの肩をポンと叩いたとき、虎徹さんがトレーニングルームへやって来た。
どうやら僕とブルーローズさんの今の状況を見て彼は、僕がブルーローズさんをナンパしていると勘違いしたらしくこう言い放った。
「バニー!そいつは筋金入りのツンデレだからお前との相性最悪だぞ!!」
もちろんこの後、ブルーローズさんに氷漬けにされたのは言うまでもない。

女性に対して失礼な言動は控えましょうね、虎徹さん。
/ 5ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp