第3章 長い夜
桂side
寺子屋の時間になり皆が集まってきた
午前中は書道の時間だった
先生が半紙の用意を忘れたといい
すぐ用意してくると教室を出て行った
「…」
何かおかしい。
いや、皆も薄々とゆーかほぼ確実におかしいと思っている
なぜなら今日は名前と銀時があまり話していないからだ
いつもだったら、高杉とどちらからとも無く名前の取り合いをし出すのだが今日はそれが無い
高杉が名前に話しかけても
いつもなら意地でもその会話に加わろうとし邪魔をする銀時だが今日は無い
それに何処と無く名前も上の空だった
いち早く二人の変化に気づいた高杉は
2人に何かあった事を物語る態度に大層機嫌が悪い
喧嘩でもしたのだろうか?
あまり想像出来ない
色々思考を凝らしてみるが納得する答えが出てこない
何かに悩んでいるのならば、俺は幾らでも力になってやりたい
出会ってまだ間も無いが、そんなのは関係無いくらいに名前のことは大事に思っている
銀時や高杉とは少し違う愛情
言ってしまえば、妹などがいたらこんな感じなんだろうか?
年は2つ程離れているし、しっかりしてる部分もあるがまだまだ可愛い女の子だ
ヅラちゃんなどあまり呼ばれたくは無いが
ヅラちゃんヅラちゃんと可愛い笑顔で言ってこられれば、あのお決まりのセリフが出てこない位には許してしまう
そうだ可愛い妹分が悩んでいるんだ
兄ならば一緒に悩んでやるってもんだろう
休み時間になったら名前に話しかけてみよう