第14章 壊れる R15
朝から戦い、全てが終わり拠点へたどり着く頃には夜もどっぷりふけた頃だった
なんとか勝ったものの、あまりにも怪我人や死者が多すぎた
帰路で口を開く者は居ない
皆ボロボロになりながらやっとの思いで帰ってきた
拠点に着くなり、まずは怪我人の治療から始まった
一番重症だったのは高杉だった
目では無かったものの目の上がパックリと深い傷を覆っていた
視力に影響無かったのは不幸中の幸いであろうか
身体にもあっちこっち切り傷があった
「ゴメンね。名前ちゃんも怪我してるのに…怪我人があまりにも多すぎて…」
平助は、喋り掛けるが手は止めない
「ううん。私のは大したこと無いから…でも、少しでも治療法教わっといて良かったよ…」
最後の方は少し声が小さくなってしまったが、平助には聞こえていたみたいで、そうだねと返事をしてくれた
一通り治療を終えると
「皆、俺の判断ミスだ。本当に申し訳ない。」
桂は苦しそうな顔をしながら皆に頭を下げる
皆は何も言わず、黙って俯くと
「てめーは間違っちゃいねぇさ。誰も天人に援軍が来るとか予想出来ねぇんだ。犠牲者は出たが、そいつらのお陰で今日勝てたんだ。お前を信じて今日までやってきてんだ。総指揮が簡単に頭下げんじゃねぇよ。」
入り口の襖にもたれ掛かって廊下の方を見ながら銀時は言う
私はクスリと笑って
そうだね!と言うと皆に少しずつ笑顔が見えた