第2章 言葉は無くとも 第2話
ふとグリムジョーの顔を見た。
その安心しきったその顔に、思わず口が綻ぶ。
(綺麗な目鼻立ちで整った顔…男から見ても美人だし…やっぱいい男だな。だけど…中身は可愛いんだよなぁー)
いつもは重力に逆らっている前髪も今は力なく下に垂れている。
頭を撫でながらそれを掻き上げた。
するとグリムジョーは、うーんと唸ってスタークの手に鼻を摺り寄せてきた。
「……何それ…可愛すぎだろ…」
猫みてぇ…なんて思いながら右の頬に触れ、筋の通った高い鼻を触り、むぎゅっとつまんだ。
暫くして「ぅぐっ」とくぐもった声がした。
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