第1章 言葉は無くとも 第1話
スタークは眠っているように見えて実際には眠っていない。
それは、常に敵に襲われる危険があった砂漠で身に付いた事だった。
小さな分身が襲われないよう、いつも警戒心を解いた事は無かった。
しかし、いとも簡単に破面に部屋の侵入を許してしまった…その時、絶望へと叩き落とされた気分だった…
それと同時にそれだけ気を許しているという自分に…
少し、嬉しくなった。
(ホント、いつの間に部屋に入り込んで来ていたんだか…)
背中から俺を抱き締めてへばりついてる恋人。
気持ちよさそうに眠っている。
グリムジョーを起こさないようにくるりと体を回転させ、向かい合うようにした。
to be continued→