第18章 光の道しるべ
黄瀬「珍しいし、ゆっくり進まない?
そんなに、長い道のりじゃないんだけど。」
『うん!賛成っ。
キャンドルロード、歩くの初めてなんだ♪』
黄瀬「初めてっスか?
じゃあ、誘ってみて、良かった。
この道は、素敵な場所にたどりつくっス!
もう見えてるんだけど(笑)
大ヒントっスよ?屋根の上を見て!」
『屋根?あれって、十字架だよね?教会?』
黄瀬「ピンポーン♪結婚式が挙げられる
独立型のチャペルみたいっス!」
『わぁ。素敵。
ロマンチックな演出だねっ。』
黄瀬「チャペルの中、見たい?」
『え?中に入れるの?
見たい♪あ、でも・・・。
ダンスの時間に、遅れないかな?』
彼は、腕時計を確認してくれている。
黄瀬「大丈夫っスよ!
まだ、18時半くらいだし。」
『ありがと。それなら、平気ね!』
黄瀬「じゃあ、開けるっスよ~。」
扉を開けた、その先には・・・
深紅のバージンロード。
祭壇には、趣深いステンドグラスに、
大きな十字架。
薄暗い照明にしてあるチャペル内の所々に、キャンドルが灯されており、幻想的な雰囲気を醸し出している。
黄瀬「おぉ。すごくいい雰囲気っスね!
バージンロード歩きたい?
それとも、本番までとっておきたいスか?」
『う~ん。あ、少しだけ歩く。』
「クスっ。了解っス☆
じゃあ、あの一番後ろの席まで歩くので
イイっスか?」
『イイっスよ~♪』
(「俺の口調、真似っこしてるっス~!
照れ隠し?かわいいなぁ~。」)
隣りに歩いてる涼くんが急に、口元を
手で隠し、顔を背ける。
『涼くん?どしたの?気分悪い?』
「ち、違うっスよ。今日の優希っちが、
花嫁さんみたく綺麗だなぁと、思った
だけ!やっぱり、深紅のバージンロードに。
白のドレスは、よく映えるっスね。」
『ありがと☆
ほめてもらえて、嬉しいよ。
偶然にも、白いドレスで良かった~。
長~いバージンロードとか、やっぱり憧れる。』
黄瀬「そっかぁ。優希っちは、結婚式は
ウェディングドレス派っスね!」
『うん♪女の子の、夢だよ~。』
話してるうちに、目的地まであっという
間に着いた。
黄瀬「もう、着いちゃったスね。
ダンスホールの会場に戻る前に、一休み
するっスか?」
『うん。そこの椅子に座ろっか。』
黄瀬「ねぇ、優希っち。」