第18章 光の道しるべ
『うわぁ。綺麗・・・。』
目の前に広がるのは、キャンドルの灯りに
照らされた光のみち。
黄瀬「お~い??優希っち?」
優希っちの、目の前で手を振ってみても、
反応がない。
黄瀬「う~ん。
目の前の光景に見取れてるっス。
連れて来たのは俺だけど。
こうも反応がないのは、寂しいっスね。」
(これは、チャンス!?
ホッペに、キスでもするっスか!
イヤイヤ。ダメだろう?
ホッペにキスくらい許される?
口づけじゃないんだし・・・。)
俺の中で、天使と悪魔がささやくっス~!!
悪魔に惑わされるな、俺。
いきなり、キスとかして嫌われたら
どうするんだよ!
冷静に、冷静になれ。
毎回、許される訳じゃないよ。
まぶたへのキスは、嫌じゃなかった、
みたいっスけど。
さんざん考えた結果、俺は悪魔の誘いに
のらなかった。
黄瀬「優希っち~?
そろそろ、気づいてくれないと泣くよ?
キスしちゃうっスよ~??」
そう言いながら、俺は人差し指で、
優希っちの柔らかいホッペを、
ツンツンしてみた。
すると、我に返った優希っち。
少し、驚いた顔をした後。
『へ?あ、ゴメンね。
キャンドルロード素敵だねっ!
綺麗で、見とれちゃってて。
もしかして、ずっと呼んでくれてたの?』
黄瀬「うん。呼んでたっスよ。
まぁ・・・残念だったけど、ね。」
『残念って、何が?』
黄瀬「いや、あはは。何でも無いっス!
心の声が、もれたダケなんで。
き、気にしないでいいっスから!』
俺、声に出してたんだ!!
『(気にはなるけど・・・。
今回は、そっとしとこう。)
何でもないなら、い~の。
相談ごとなら、いつでも聞くからね?』
黄瀬「う、うん。ありがとうっス!
また、今度、宜しく。あれ??」
『ぷ。あははっ。テンパってる?』
黄瀬「あはは。そうっスね。
わけ、わかんなくなってきた。」
『そんな時もあるよ。私も。
ね、涼くん。このキャンドルロードは、
歩いてもいいのかな?』
黄瀬「もちろんっス!一緒に歩こう♪」
二人、手を繋いだまま。
光の道を、並んでゆっくり歩いた。