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私達は生きる。

第1章 私達は生きる。


裏切り者がいるらしい。
例の格闘家だそうだ。
でも彼女はどちらの味方?。
黒幕から手を切って、私達側に来てくれるの?。
そのつもりだとしても、みんなはそれを受け入れるの?。
だって、今のところ、彼女はどちら側から見ても「裏切り者」じゃないか。
また、一騒動起きそうだ。



誰が殺された?。
例の格闘家だよ。
誰に殺された?。
それは分からないよ。
密室殺人だそうだ。
一体誰がこんなことをしたんだ?。
容疑者はたくさん居るらしい。
誰が殺した?。誰が殺した?。
俺じゃない。私じゃない。僕じゃない。
死因は何だ?。
撲殺?。毒殺?。
格闘家の死を惜しむスイマーは涙ながらに喚き散らす。
お前らがやったんだ!
お前らに決まってる!
彼女の眼は怒りに燃えて赤く腫れていた。
下手な芝居で証言はちぐはぐになっていく。
どうなることやら。
格闘家の遺志は、スイマーには届いてないようだ。



目が醒めた。
この殺人ゲームを娯楽のように扱っていた彼も。
友人を亡くし、復讐として集団自決を謀っていた彼女も。
みんなみんな、黒幕に立ち向かう決心をした。
裏切り者だった仲間の遺志がみんなを奮い立たせてくれた。
残念ながらアルターエゴのパソコンはクマ型ロボットの学園長に破壊されてしまったけど。
それでもみんなは希望を見失わずにいた。
それとまた、行ける範囲が広くなっていた。
みんなで遂に開いた最上階を見に行く。
その階は特に変な部屋ばかりあった。
今までは普通の学校らしさのある教室ばかりだったのに。
大きな気味の悪い花が栽培されている植物園。
桜の花弁が舞い散る弓道場。
冷凍庫状態の生物室。
血塗れの教室。
変な部屋ばかりだ。


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