第1章 私達は生きる。
黒幕は死んだ。
己の身に降りかかる絶望に悦びながら死んだ。
遂に私達は外に出る。
待ち望んでいた外の世界だ。
重厚な扉が少しずつ開いていく。
それがエンドロールの少し前。
私達の戦いは終わった。
……でも、本当に辛いのはこれからだろう。
今までは黒幕に守られていたからこそ無事だった。
外の空気は空の色を変えるほど濁っている。
周りの建物は破壊し尽くされている。
私達の学園は栄光の軌跡の面影すら残さず無惨に荒れ果てていた。
黒幕に魅せられた絶望の信者達が、きっと彼女を殺した私達を狙うだろう。
私達7人だけで、この先どうやって生き抜こうか。
助けを乞うなど、誰に出来ようか。
食料の確保さえままならない。
安全に寝られる場所だって見つかりそうにない。
その上、世界中に敵だらけ。
それでも私達は生き延びなければならない。
死んでいった仲間の為にも。
私達の未来の為にも。
この世界の在り方の為にも。
私達は。
私達は生きる。