第2章 夢で見た空
ハンジの部屋に案内された私はソファに腰をかけた
目の前には美味しそうな紅茶
口に含むと紅茶のいい香りが身体中を駆け巡る
飲み慣れた物を飲んで私はようやく一息ついた
「落ち着いたみたいだね」
「はい…ありがとうございます」
ハンジも一口飲むと
私をじっと見つめてきた
「ゆずきはさ、なんであんなところにいたの?」
「えーと…本当に覚えてなくて
気付いたらあんな場所で…襲われてて」
「ふむ…本当に記憶がないんだね
逆に何を覚えてる?」
私は必死に考えた
今日の朝は何時に起きたっけ
朝食は何を食べたっけ
何して過ごしていたっけ
必死に
必死に考えて
私は思い出せる限りのことを全て話した
始終、不思議そうな顔で聞くハンジ
それだけが気になった