第2章 夢で見た空
その時、とっくに風呂を上がり
再び制服を着たゆずきは窓の外の風景を眺めていた
今が何時なのかもわからない
月明かりだけが全てを照らしている
窓から見える風景は
ただひたすら木、木、木
ハンジさんが言ってたっけ
ここはローゼの森の中だって
見覚えも聞いた覚えもない…
「早く家に帰りたい…」
ふいに襲ってきた孤独感から涙が溢れる
「あ!ゆずき!」
急に名前を呼ばれビクッと体が反応した
振り返ると声の主はハンジだった
「遅いから心配しちゃったよ
ちゃんと入れた?
さ、暖かい紅茶でも入れてあげる
おいで?」
そう差し伸べられた手を
そっと握る
するとなぜか少しだけ安心したような
そんな気持ちになった