知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。
第15章 キルアとデートしよう!
『(女と手を繋ぐのって…なんか変な感じだ………
ゴンの奴はなんであんな簡単に出来るんだ…)』
『あっ!キルア!あれ乗ろう!』
『わっ!落ち着けって!!』
遊園地ではしゃぐ愛莉を見ていると、
なんだか年齢よりも幼く見えて、
まるで妹と遊びに来ているような気分になった。
その後、一通りアトラクションで遊んだ二人は
ベンチで休憩することにした。
『俺、なんか買ってくるからここで待ってて』
そう言うとキルアは近くの売店へ向かった。
『(デートって初めてだけど、
こんな楽しいものなんだなぁ…)』
愛莉がベンチに座って余韻に浸っていると、
背後から誰かに話しかけられた。
『お嬢さん、今一人?』
振り返ると、自分よりかなり年上に見える
若い男性が二人いた。
『?一人じゃないですけど…』
『俺たちも暇しててさぁ…一緒に遊ばない?』
『あの…私今、人を待ってて…』
『ちょっとだけだからサ♪』
男の一人が愛莉の肩に手を置く。
『愛莉に触るな!!』
声の方を見ると、キルアが立っていた。
『キルア…』
『この子供が待ち合わせの相手?
こんな子供より、俺らと遊んだ方が…』
『聞こえなかったのか…?愛莉に触るな。』
次の瞬間、キルアから禍々しいオーラが放出される。
念能力者でない愛莉には目には見えなかったが、
背筋がゾクリとするような悪寒に似たようなものを感じた。
男たちもそれを感じ取ったようで、
ありがちな捨て台詞を吐いて去って行った。
男たちが去って行った後、二人の間に沈黙が流れた。
愛莉は立ち上がり、キルアの元へ歩み寄る。
『キルア…顔、怖くなってるよ?』
キルアの両頬を軽くつまむ。
『ふぁ…!』
キルアはようやく我に返ったようで、
目をパチクリさせる。
『愛莉…さっきの奴らに何もされてないか!?』
『うん大丈夫!さっきの人たち、何だったんだろうね』
『バッ!ナンパだよナンパ!!』
『ああ!あれが噂のナンパ!』
愛莉がポンと頭上に豆電球を浮かべる。