知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。
第15章 キルアとデートしよう!
『全く…能天気なやつ…』
『でもさっきのキルア、かっこよかったよ。
少女漫画に出てくる男の子みたいで』
『なっ!何言ってんだよ!!
……恥ずいだろ…!…そんな事よりこれ!』
キルアが愛莉にずいと差し出したのはアイスだった。
『わぁ!ありがとう!』
愛莉はキルアから苺味のアイスを受け取ると、
幸せそうに頬張る。
『(ババァの情報通り、甘いもの好きなんだな…)』
ビスケから愛莉の情報を聞いておいて良かったと、
安堵するキルアだった。
アイスを食べ終えた二人は時計を見る。
『もうそろそろ時間もアレだし、ラストにするか』
『うん、あと乗ってないのは…あれかな?』
愛莉が指差した先には、
この遊園地のメインアトラクションの観覧車があった。
赤や緑や青などの色とりどりのゴンドラが揺れている。
『……あ…アレね…了解』
キルアは一瞬言葉に詰まったが、すぐに平静を取り戻す。
二人は観覧車の列に並び、準備を待った。
列はそんなに長くなく、順番はすぐに回ってきた。
スタッフにどうぞ、と促され二人は赤のゴンドラに乗り込む。
二人はお互い向かい合わせに座った。
『(観覧車…ネットのデータによると遊園地デートの最後に乗るのが定番で、
カップルならここでキスするのが暗黙の了解…か)』