知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。
第15章 キルアとデートしよう!
キルアは昨日、ネットで調べた事を思い出す。
『(キス…ね)』
頬杖をついて、ちらりと横目で愛莉を見ると、
窓の外を見て、だんだん高くなっていく景色を見ていた。
『(…キス…かぁ)』
『キルアー見てーどんどん高くなってくよー!』
『(キスって…どんな感じなんだろうか…)』
『キルアー?聞いてるー?』
『(愛莉と…キス…か)』
『キル…』
『ってできるかそんな事―――!!』
キルアがいきなり立ち上がり叫ぶ。
『び…びっくりした…』
『あ…いや…なんでもない…気にするな…』
『う、うん。あのね、キルア』
『うん?』
『今日、誘ってくれてありがとうね、
すごく楽しかったよ』
『へっ?…そ、そっか………なら良かった』
『キルアは楽しかった?』
『楽しかったよ』
『なんか、私ばっかり楽しんでた気がしちゃってたから』
『そ、そんなことねーよ!!俺も………楽しかったし』
『そっか、良かった』
『愛莉がめちゃくちゃ子供っぽいって事もわかったしな』
キルアがにやりと猫目になって茶化す。
『も、もう…恥ずかしいから言わないでよ~…』
『はいはい』
そんなこんなで観覧車はあっという間に一周周り、
再び地上へと戻ってきた。
『帰るか』
『うん』
『ところでさ、帰ったらあいつらに何て話そう』
『普通に、デートしてきたよ!でいいんじゃない?』
『それじゃ、今まで秘密にしてきた意味がねーだろ!』
こうして二人は心地よい疲労感を携えながら、
ゴンたちの待つホテルへ帰っていった。
続く