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知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。

第14章 デートに誘われてみよう!


キルアが手に汗を握る。
いざその時を前にすると緊張して声が上手く出せない。

『あ…あのさー…』

『うん?』

『(は…はやく言わねーとゴンが戻って来ちまう…)』

よくよく考えてみれば、
別にゴンにばれても何も問題はないのだが、
なんだか照れくさかったので出来れば秘密にしておきたかった。

『この前さー…』

『うん』

『で…』

『で?』

『デート…をさ…』

『愛莉!キルア!お待たせ!』

キルアがモタモタしているとゴンが小走りで戻ってきた。

『(終わった―――!!)』

キルアが心の中でガックリうなだれる。
同時にヘタレな自分を責めまくる。

『次どこ行こっか』

『あっ!見て!あそこに何か変な生き物いるよっ!』

愛莉がバッと遠くを指差し、ゴンの気を引く。

『えっ!どこ!?』

単純なゴンは愛莉が指差した方向を向く。

『(ご、ごめんね、ゴン!)』

愛莉はキルアの手を掴んで全速力で人混みの中へ紛れ込む。

『愛莉?何もいなかったよ?…………あれ?』

ゴンが振り返った時には、
愛莉とキルアはそこにはいなかった。

『…!?愛莉!?どうしたんだよいきなり…!』

キルアはいきなりの出来事に驚きを隠せずにいた。

『…ここまで来れば大丈夫かな』

『…?』

愛莉がふぅと息を整えて振り返る。

『さっき…何か言いたそうだったから』

『…!』

『ゴンの前では言いにくい事なのかなぁって思って…』

『(何か俺…超カッコ悪りぃな…
最終的にこんな事になるなんて…)』

キルアが深呼吸して、ビシッと人差し指を立てた。

『明日!デートするぞ!』

『………』

愛莉は一瞬ポカンとなっていたが、すぐに頬を緩め笑った。

『うんっ』

『ゴンたちには内緒だからな!』

『なんで?』

『なんでも!』

キルアは全て言い切り、胸を撫で下ろした。

『…ゴンのとこ、戻るか』

『そだね』


続く
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