知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。
第13章 ゴンの看病をしよう!
『愛莉の手…冷たくて気持ちいい』
ゴンが愛莉の手を、自分の頬に当てる。
『冷え性なんだよね…ゴンのほっぺた柔らかい~』
愛莉がゴンの頬をふにふにといじる。
『くすぐったいよ~』
無邪気に笑うゴンを見ていると、
愛莉の頬も自然と緩んでいた。
『俺にお姉ちゃんがいたらこんな感じなのかなぁ…』
『私も一人っ子だから、弟いたらこんな感じなのかなぁ
って思っちゃったよ』
二人は顔を見合わせて笑う。
『そうだ!さっきキルアが買ってきてくれたリンゴ剥くね』
愛莉は紙袋からリンゴを一個取り出し、
ナイフで器用に皮を剥いた。
『うわぁ~ウサギさんだ!』
『リンゴといえばこれだよね』
『愛莉って器用なんだね』
『器用っていうか…料理作るのとか好きだから』
『へぇ~、俺、愛莉の料理食べてみたい!』
『うん、機会があったらね』
二人でいろいろ話しているとゴンの顔色もだいぶ良くなり、いつの間にか眠ってしまっていた。
『(私…少しくらい役に立てたかな…)』
愛莉もウトウトしていつの間にかゴンの傍らで
ベッドに突っ伏して寝ていた。
―――その頃、隣の部屋
『おいキルア、お前はゴンの所へ行かないのか?』
レオリオがキルアに尋ねる。
『ん~…なんていうか…二人だけの世界が
出来上がっちゃってる感じ』
キルアがふぅとため息をつく。
『(デート…いつ誘うかな…)』
続く