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知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。

第9章 クラピカと星空の下で語ろう!


クラピカは途切れ途切れながらも言葉を紡いだ。
クルタ族は感情が高ぶると瞳が赤く染まる事、
同胞がその瞳を奪われて皆殺しにされた事、
かつでは平和に暮らしていたクルタ族の事。
話している最中のクラピカは悲しいような、
怒りを堪えるような、
いろんな感情が入り交ざったような表情で語った。

『クルタ族の村で暮らしていた時、パイロという同じクルタ族の親友がいたんだ』

『親友…』

『愛莉と過ごしている内になんだか懐かしい気持ちになるんだ。
その理由をずっと考えていた。
それでやっと理由がわかった。
………君はパイロに似ている』

『そう…なんですか?』

『争い事が苦手そうな所も、危なっかしくて
放っておけない所も、そっくりだよ』

愛莉はなんだか照れくさくなり、
頬をかいて小さく笑う。

『パイロはもうこの世にはいないし、
もちろん愛莉はパイロではない…
けれど愛莉と一緒にいると、
パイロと一緒にいた時の事を思い出すんだ…
もう絶対に…あの時のような悲劇が繰り返さない』

クラピカが愛莉をギュッと強く抱き締める。

『クラピカさん…』

『私たちと一緒にいるのは嫌か…?』

『嫌なんかじゃないです!その…
これからもよろしくお願いします!』

『ああ…こちらこそよろしく頼む』

クラピカが愛莉の両肩に手を置いて微笑む。

『(あ~あ~…見せつけてくれちゃって…)』

いつの間にか目覚めたレオリオが
薄目でその様子を見ていた。

『(クラピカの奴、いつになく安らいだ表情してやがる…
一体何の話してるんだか…)』

再び瞳を閉じて眠りにつくレオリオ。

『長話して悪かったな、そろそろ寝た方がいい』

『はい、クラピカさんの話聞けて良かったです』

『あ、ああ…おやすみ』

未だ燃え続ける焚き火の炎だけが、
クラピカの横顔を照らし続けていた。


続く
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