知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。
第1章 知らない世界へ行ってみよう!
『俺はゴン!ゴン=フリークスっていうんだ!』
『私は愛莉って言います』
お互い自己紹介して握手をする。
愛莉は立ち上がろうとする。
が、立てない。
足に全く力が入らないのだ。
こんな経験は初めてだった。
『あれ…?なんか…変だな…力が入らない…』
何度も立ち上がろうと挑戦するが立てない。
するとゴンが愛莉の目の前に来て、
背中を向けてしゃがんだ。
『俺の背中に乗りなよ!』
『えっ…でも…』
ゴンは明らかに愛莉より年下のようだったし、
身長も愛莉より低い。
『いいからっ』
『わっ!』
モジモジしているといきなり背中に乗せられた。
体格も普通の子供なのに愛莉の体を軽々と持ち上げた。
『(さっきの大きな生き物もこの子が倒したんだよね…多分)』
『足が震えてる…よっぽど怖かったんだね』
『あの…助けてくれてありがとう』
『いいのいいのっ!なんてことないから!』
『重かったら言ってね』
『全然重くないよ~』
ゴンは愛莉をおんぶしながら、
軽々と森の中を駆け抜けた。
愛莉がいた場所は森の中のかなり深い所だったようだ。
『ねぇ、森を抜けるまで少しかかりそうだし、
愛莉の事教えてよ』
愛莉は森を抜けるまで、自分の事を話した。
目覚めると知らない場所にいた事、自分がいた世界の事。
ゴンもうんうんと頷きながら愛莉の話を聞いていた。
そしてゴンもこの世界の事や、
自分がハンターだという事を愛莉に話した。
『つまり、愛莉は違う世界から来たってこと?』
『そうなるけど…信じてくれないよね…
私も信じられないもん』
『ううん!俺は信じるよ!愛莉の話!』
『えへへ…ありがとう』
話をしているうちに森を抜けた。
そこには一つの街があり、たくさんの建物が広がっていた。
続く