• テキストサイズ

知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。

第1章 知らない世界へ行ってみよう!


子供の頃から本を読むのが大好きで、
いつかどこか遠くへ行って旅をしたいと思っていた。
仲間と一緒に知らない街へ行って、いろんなものを見て、
時には助け合いながら茨の道を進んで行く。
そんな夢物語にずっと憧れていた。

叶わない夢と知っていながらも夢見る事を
やめられないで、今日まで生きてきた。
毎日毎日、『今日もいい夢が見られますように』
と願いながら眠りについた。

『…ん…』

もう朝か、と眩しい朝日に目をこすりながら起き上がる。
また今日も平和で変わらない今日が始まる。


はずだった。


『ここ…どこ』

目を覚ますと木々が生い茂る森のような場所にいた。
突然の事に脳がフリーズする。

固まっていると背後の茂みからガサガサと音がした。

『な…なに…』

現れたのは見たこともない、
それもかなり大きな獣のような生物。
ああ…なんだ夢か、きっとこれは夢なんだ。
もうすぐ夢は覚めるに違いない。
そしたらまたいつも通りの日常に元通り。

目の前の生物はガルルと唸りながら近付いてくる。
早く、早く夢覚めて!とうずくまりながら願う。

生物が口を開けて襲い掛かってくる。
怖い、でも大丈夫、これは夢なんだから。
きっと次、目を開けたらそこは自分の部屋のはず!

ぎゅっと目を閉じた。

… … …
… … …

目を開ける。景色は変わっていない。
さっきの生物は目の前で倒れていた。
そしてその傍らには緑色の服を着た一人の少年が立っていた。

『…』

突然の出来事に、言葉にならない声を振り絞ろうと
していると少年が駆け寄って来た。

『大丈夫!?怪我してない!?』

『…あ…はい』

『良かった~間一髪だったね!』

少年はホッと胸を撫で下ろし笑った。

『…私も何がなんだか…』

『こんな所にいつまでもいたら、また襲われちゃうよ!』

『あの…私、ここがどこだか…』

『そっか、迷子なの?…じゃあ俺と一緒に街まで行こう!』

ニコッと笑う少年の笑顔を見ていると少し安心できた。
/ 40ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp