知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。
第8章 甘えんぼになってみよう!
愛莉の体調がだいぶ良くなってきた頃、
もう少し安静にして、数日後にはこの街を出る事になった。
『あの…私、もうホントに大丈夫ですから!』
『ダメだ、もう少し安静にしてろ。
俺たちは街に用事があるから大人しく寝てろよ~』
レオリオに止められて愛莉はベッドで横になっていた。
生憎、ゴンたちも今はどこかへ出掛けている。
『暇だなぁ…寝すぎて身体も痛いし…』
誰もいなくなった部屋はしんと静まり返っていた。
暇を持て余した愛莉は起き上がり、部屋を軽く探索することにした。
『テレビも何も面白そうなのあってないなぁ…』
テレビの電源を入れてみるが特に面白そうな番組は放送されていなかった。
何となく近くにあった冷蔵庫を開けてみる。
『あ…ジュースある』
冷蔵庫には缶ジュースが3本ほど入っていた。
『桃かなぁ…美味しそう』
文字は読めなかったがピンク色で桃のイラストが
描いてあるパッケージから、
桃味のジュースなのだろうと解釈する愛莉。
缶をプシッと開け、ゴクゴクと飲み干す。
キンキンに冷えた液体が喉を通り、
炭酸の刺激が心地良かった。
『桃の味するけど、なんか今まで飲んだことない感じ…』
何だかクセになるその味に夢中になり愛莉は気付くと
3缶とも飲み干してしまっていた。
そうこうしていると誰かが部屋に入って来た。
『わ~キルア~!』
ドアが開き、キルアの姿が見えるや否や、
愛莉がキルアに抱き付く。
『わっ!!な、なんだ愛莉か…ってなんか顔赤くね!?』
『んなことないない~キルア大好き~!』
愛莉はキルアに抱き付いたまま頬ずりする。
『なっ!?ななななななななっ!?』
キルアは突然の事に驚きで声が出ない。