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プロポーズされてみませんか? 【短編集】

第2章 ジューンブライド 【黄瀬涼太】



それから俺はずっと気になっていて珍しく仕事でミスをしてしまった。どうして春乃が青峰っちと一緒に居た事と仕事でミスをした自分に腹が立っていた。
家に帰ってきて、ソファに荷物を投げて寝室へと行き、ベッドにダイブする。すると携帯が鳴った。ディスプレイには春乃の文字。出たくなかったけど、無視するのも嫌だからとりあえず電話に出る。
「もしもし…」
『あ、涼太?ごめん仕事中だった?』
「いや、もう家だから大丈夫ッス」
『どうしたの?なんかいつもと様子が違うんじゃない?何かあった?』
何かあった?何言ってんだよ。誰のせいだよ。
「別に。何もない」
『…涼太?何か怒ってる…?』
「だから何もないって」
『でも変だよ。いつもならもっと嬉しそうに喋るじゃない』
何でわかんないかな?原因はあんたなのに。
「…………だよ」
『え?』
「誰のせいだと思ってんだよ!!!」
『……涼太?』
急に声を荒らげた俺に春乃の声が小さくなる。
「誰のせいだよ!!もう意味わかんねぇ!!もう来なくていいから!!」
『え?どうゆうこと!?』
「もう会いたくないって言ってんだよ!!」
『なんで!?涼太!?』
俺は一方的に電話を切り、電話をベッドに投げ捨て、ベッドに力なく座る。
何で、もうわけわかんねぇ………。


春乃と会わなくなって一週間。あれから何度か春乃から電話とメールがあったけど、電話に出ることも、メールを返信することもない。考えないように仕事も沢山いれた。
「はい!これで撮影終わりです!黄瀬くんお疲れ!」
「お疲れさまッス!それじゃあまた撮影あったらよろしくッス!」
今日の撮影が終わり、家に帰ろうとスタジオを出ると、スタジオの前に青峰っちが居た。
「どうしたんスか?青峰っちから会いに来てくれるなんて明日はきっと雨っスね!」
俺は普通を装って言う。そんな俺に青峰っちの眉間にシワがよる。
「お前、何のつもりだよ」
「何がッスか?」
「春乃のことだよ」
青峰っちの口から春乃の名前が出た瞬間青峰っちの腕を掴んでいた。
「場所、変えないッスか?」


俺は青峰っちを自分の家に連れてきた。ここなら周りを気にしないで話せる。
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