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プロポーズされてみませんか? 【短編集】

第2章 ジューンブライド 【黄瀬涼太】


黄瀬side
「涼太!ちょっと見て!」
久しぶりの休み、春乃の膝枕で寝ていた俺を春乃が興奮気味の声で起こした。
「ん?何ッスか?」
「見てこれ!ジューンブライド!!」
「ジューンブライド?」
そう言って、手に持っていた雑誌のページを俺に見せる。
「そ、6月の花嫁だよ!6月は家庭の女神ジュノーの月でね、その月に結婚した女性は幸福になれるんだって!!」
「そうなんスか」
「うん。憧れるなぁ〜」
そういって再びページに目を移し、キラキラと目を輝かせる。
ジューンブライドか、女の人はこうゆう事に憧れを抱くんだ。
まぁ、でもまだ先の話だろ。俺たちまだ21だし。
俺と春乃は高校の時から付き合ってる。
「あ、そうだ。また忙しくなりそうだから、また暫くは会えないッス」
「あ、そうなんだ…」
「ごめんね」
テンションが落ちた春乃の髪を撫でて、キスをする。仕事で忙しい時はいつもこうする。
今はモデルの仕事も順調で忙しい。滅多に会えないのに、こうして待っててくれる。いい彼女だと心の底から思う。
「あ、それじゃあ私、帰るね」
「あれ?いつもより早くない?」
「ちょっと用事があるから。じゃあね!」
そう言って出て行った。


『もしもし?今仕事中じゃないの?』
「ううん。今は休憩中ッスよ」
俺はよく仕事の合間に春乃に電話をする。エネルギーチャージのためだ。
『今日はどんな撮影してるの?』
「今回のテーマは大人デートなんスよ。よくわからないッス。ちょっと今回は苦戦しそうッス!」
『頑張れ!!私、いつも応援してるから』
「ありがとうッス!」
『おい!春乃!早くしろよ!お前が俺を呼んだんだろ!!』
受話器の向こうから突然聞き慣れた声がした。
『ちょっと待っててね、青峰くん!』
受話器の向こうから聞こえ待ったのは青峰っちの声。
「え、なんで青峰っちと一緒にいるんスか?」
『ごめん!それは言えない!それじゃね!』
そう言ってなかば強引に電話をきられた。どうゆうこと?なんで青峰っちと春乃が?
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