第1章 僕が君を思い出す事なんてあるわけないと思ってたんだ…
「さっっっぶい!!!!!!!」
あっ、すいません↓↓↓
今ね、あるチビの頼みでアイドルのコンサートに来てんけど
さっぶいねん!
「ごめんな、葵↓↓あんた、グッズに並ぶつもりなんてなかったやろ?」
「ない、なかった!老体には12月の寒さは身にしみる…。心も身体もしみっぱなしや!」
「(笑)、老体ってやめてや、わたしも同い年やし。まだ24やし」
「ちょっとー、そこのおふたりさーん!!!」
短い腕が人込みの中から私達を呼ぶ
「ちょっとー、ちゃうし。なんで一人でスタスタいくん?はぐれたらどうするともりなん?」
「でもさー、ママたちおそいしー、りょーのうちわなくなっちゃうしー」
「おそくないし、並ばないと買えないの!わかった?」
ぶくぅーって頬っぺた膨らませて、唇尖らせて怒っているこのチビこそが
3歳にして錦戸亮担当でアイドルオタクなおチビちゃんです。
「いちごー…、まったく誰に似たらそんな子に育つん?親の顔が見てみたいもんやな」
「って!!!あんたやん?親!!しかも、アイドルオタクはあんたもや絢華(笑)」
そう、私はこのアイドルオタクの二人の保護者役みたいな感じで
今日は関ジャニ∞のコンサートにきたのでした。
でもな?絢華、私はまたあんたがそうやって
笑って居られる日が戻ってくるなんて
あの時は思ってもいなかったよ・・・。
よかったよね?これでよかったんだよね?
もう、誰も彼女の笑顔と明るさを奪わない日を
私は願ってる・・・。
失った物は多かったとは思うけど・・・。
∞