第19章 届いた声と続く道
“ねぇ どうして
つれてって くれないの”
“なんで むしするの?
わたしのこと きらいなの?”
“ねぇ あそぼうよ
ここ おもしろいもの
たくさん あるんだよ”
“わたしの おともだちも
たくさん いるんだ
しょうかいして あげるね”
“えいえんに ここにいろ”
赤「・・・一体どこまで ついてくるんだ
いい加減にしろ
お前に相手するヒマなどない」
目の前にある人形を蹴ろうと思った。
いつまでもついてくるこの人形に腹が立っていたのだ。
いつもならいつも持っている鋏で切り付けることも可能だ。
しかし、自分の腰にイヴが抱きついている感じがしたのだ。
まるであのマネキンの時のように。
冷静さを少しずつとりなおした赤司は扉の前からその人形をどかすことにしたのだった。
ドアはカギがしまっていて、隣には
“ つ れ て い け ”
の文字。
赤司はここまで来ると溜息が出た。
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