第19章 届いた声と続く道
『カサをなくした乙女』。
白黒で描かれているその画は一人の乙女が遠くをじっと見つめている作品だった。
そのまま奥へ進むと、またもやあの白いマネキン。
しかし今先ほど自分から見つけることが出来なかった木のカギを発見することができたのだ。
それを大事そうにポケットにしまいながら、部屋から出るとそのまままっすぐ向かうとそこにあったのは『釣り人』と言った題名の作品であったのだが、その肝心の釣り人がいなかったのだ
メ「・・・だれも いないね」
「うん・・・」
それから目線を外すと、隣にあったドアノブを捻ってみるのだが、カギがかかっているらしく開けることは不可能だった。
先へと進むと『告げ口』と書かれた作品が瓶の近くに転じしてあった。
ただ赤色の口が描かれたものだが、不気味さを出していた。
隣には・・・
メ「なにここ・・・色がない!」
そう、この部屋はどこもかしこも色がついていなかったのだ。
自分たちの姿ですら白黒でしか表現されていなかったことに驚きを示していた。
近くにあったキャンバスには虹の絵が描かれていた。
向こう側にはカギがあるのがわかった。
あの釣り人の横にあったドアのカギだということはすぐに悟った。
自分たちがでた部屋の近くには『天の糸』といった白と灰色で描かれた作品が展示してあった。
その下には小さな部屋。
ここもまた画を頼りにして暗号を解く必要があるらしい。
名前を覚えているわけでもなかったので、イヴは溜息をついたのだった。