第3章 事件発生
奥側に見えた部屋へと訪れると、右手に見えたのが真っ赤なバラだった。
題名は『精神の??』
一見美しい その姿は 近づきすぎると 痛い目に?い ??な肉体にしか 咲くことができない
やはりここも難しかった。
学校で習ったことしか読めない漢字に、少しでも勉強していればという後悔が巡った。
だが、説明書きよりも、この作品には興味が湧いた。
近くにいた男性の言う通りこの茎は折れたりしないだろうか。
花びらはガラス製ということはわかる。
ライトで照らされたその花弁は、地面でも赤く地面を染めていたのだから。
だが、その茎はガラスでもなく、金属といった硬さのものではない。
粘土で作ったのか、そういったモノの温かさを感じるもので作られていることはなんとなく察した。
同じ部屋に壁に掛けてある作品へと、視線を動かした。
『せきをする男』
この絵の場合今先ほどのピアノの絵とは違って目など体の部品が書いてありなんだか安心することができた。
しかし、なぜこのような絵を描いたのかはわからない。
でも苦しそうだなとその絵を見詰めていた。