第11章 微笑む彼
次へ向かう場所は部屋奥にあったドアだ。
しかし今先ほどあの『赤い服の女』が歩いているのが見えた。
少し遠回りになるかもしれないが、安全策だ。
上の道から行くかと赤司は考えていた。
イヴにそのことを伝えると頷くのを確認して、そそくさと奥のドアへと向かったのだった。
カギはやはり開いていて、中に入るとそこにあったのは・・・
「鏡・・・?」
その鏡は自分と赤司の存在を映していた。
身長が大きいな、うらやましいな、と考えてる一方で赤司は外からまたガラスが割れる音がしたことに気が付き、また一人あの絵が歩いているのかと溜息をついていた
「征・・・!!」
赤司のほうへ視線を向けた時に視界の隅に映ったものにイヴは息をのんだ。
部屋にいなかったはずのあの白いマネキンがドアの前へ置いてあったのだ。
赤「なんだコレ・・・いつの間に
部屋に 入ってきたんだ」
赤司はそのマネキンを動かそうとしたもののびくともしないそのマネキンにいらっとしている様子だった。
イヴはそれをなんとか必至に抑えさせると、もう一度鏡を確認することにした。
すると、あのマネキンが赤司の後ろで宙に浮いていたのだ。
赤「!」
二人は驚いて、左右に立っていた。
腰を抜かすイヴを見ながら、赤司は先ほどからといい、この人形に振り回されているのに腹がたったのか、そのマネキンへと近づいた
赤「こいつ・・・!」
「征君!
だめ!」
イヴは思わず、赤司のそばまで走ると抱きついた。
なんだかこれを壊しちゃいけないそう思ったのだ。
だから抱きついて彼の行動を止めさせたのだ。
普段の赤司なら止められたことに不満を持ち、止めてきた本人を突き飛ばすような行為を行うかもしれないのだが、相手はイヴだ。
少しずつ自分を抑えさせていた。
赤「わかった イヴ
ちょっと 大人げなかったな
じゃあ 行くか」
赤司は彼女の頭をなでると手を取り、この部屋から出ることにした。
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