第11章 微笑む彼
外に出るとあの絵たちが増えていたのだ。
あたりを確認しながら下のほうへ降りると緑の絵の女の近くに灰色のカギが落ちているのに気が付いた。
あのカギが唯一窓のあった部屋のカギだと赤司は悟っていた
赤「イヴ、俺があの絵を引き付ける
その間にあの灰色のカギを取るんだ」
「それじゃあ征君が・・・」
赤「大丈夫だから、ほら行くよ」
赤司はイヴの手を放すと緑の絵の女が自分のほうへと気づかせると、イヴから離れてその絵を引き付けていた。
絵が通り過ぎたのを確認すると、イヴは灰色のカギを手に取った。
「征君!
とっ!?」
元の場所へと戻ろうとすると、隣に飾ってあった赤色の女が目の前に出てきたのだ。
がっと音とともに1枚の花弁がなくなったのだとわかったとともに体に痛みが発生していた。
途中で遮られたのを赤司は不安になり元来た道へ戻ると赤色の女に襲われている彼女を見つけると抱き上げて灰色の部屋へと入っていったのだった。
部屋の中はまた展示物のソファーと本棚に椅子、そしてある男女が描かれたものが飾られていた。
赤司はソファーに腰かけ、おびえている彼女をやさしく抱きしめていた
赤「ごめんな、イヴ
怖い思いをさせた」
首を横に振る彼女に赤司は申し訳ない気持ちになっていた。
まさかあの隣の絵まで動き出すとは、そこまで確認できなかったために彼女に怖がらせる思いをさせたのだ。
彼女が落ち着くまで、抱きしめようと思っていると腕の中にいるイヴが征君と小さな声でつぶやいた
「はやく、でよ?
もうこんなのやだ・・・」
赤「あぁ、そうだな」