第8章 青いバラとオッドアイの青年
青年が倒れていた方へと走って向かった。
近くによると今先ほどに比べて苦しそうにしていない青年を見てほっと息を吐いた。
?「・・・・うーん・・・・・」
そう声が聞こえたと同時に青年がこちらへと顔を向けた。
?「・・・・・あれ?
苦しく なくなった・・・・ん?
っ!?」
青年はあわてたように立ち上がると、イヴのそばから離れた。
睨みつけるようにして言われた言葉に彼女はびくっと体を縮ませていた。
青年はまだ彼女を睨みつけるようにして見ていたのだった。
?「今度はなに?
もう何も 持ってないんだけど
って・・・
お前もしかして・・・
美術館にいた?
そうだろ?
俺の他にも 人がいたのか・・・」
睨みつけるようにして言っていた青年は少しずつ落ち着いてくるのがわかった。
そしてどうやら美術館にいた人みたいで安心したように笑みを浮かべながらゆっくりとイヴの方へと近づいてきたのだった。
壁に寄りかかりながら、今さっきまで体験したことを話していた。
両親と離れたこと、変なものに追いかけられたこと。
?「そうか・・・・
じゃあお前も 何でこんな事に
なってるかは わからないんだろ
俺の方も 大体同じ感じだ
おまけに この薔薇・・・・
花びら ちぎられると
自分の身体に痛みが 出てくるんだ
さっきは 死ぬかと思った・・・
取り返してくれて ありがとうな」
青年はイヴから青いバラを受け取りながら、彼女の頭を撫でていた。
青年は青いバラを見ながらいつの間にか持っていたのだろうと、これからの事を考えていた時にあの青い服の女に取られたのだ。
取り返す暇もなくその花びらを何枚かとっていたのだ。
それと同時に身体に痛みが走ってきて、逃げることだけで精いっぱいだったのだ
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